苺屋日記

 

「作る側の思い入れは、使う人には関係ないもの」という考え方が一番正しいとは思いつつ、

やはり言い訳したりちょこっと自慢したり、始めたきっかけを語っちゃったりしたいのです。

そんなわけで、苺屋日記ひそっと公開中。お時間のある方はお付き合いくださいませ。

 

<きっかけ>

自分が使う帯を作るのにはまっていた頃、一番しんどかったのは裁断だった。

布目をきちんと通してまっすぐ切るというのは意外に難しい。

狭い部屋の中で長〜い布と格闘していると、

もっと手元でちまちまっとできる作業がやりたいなという気持ちに襲われる。

それならば人形の着物を作ったら楽しかろう、と思ったのがそもそものきっかけ。

この時点では人形に全く興味は無かったので、

「とりあえずオサレっぽい」というだけの理由でブライスを購入した。

買ったら買ったで愛着が涌いてしまい、今はブサイクだのなんだの言いつつも人形はブライス一筋。

 

<方針>

@着物好きから見て、「ケッ」と思うようなものは作らない。

一見それらしく見えても手抜きな部分があったり、

着物を着ない人ゆえの誤解があったりするようなものは絶対作りたくないなぁと思っている。

 

Aある程度手荒な扱いにも耐える丈夫さを。

小さい子供さんにも遊んでほしいので、

汚れたときに気楽に洗濯機に放り込めるように(できればネットに入れるくらいはしていただきたいですが・笑)。

そんなわけで、素材は木綿。縫い代も基本的には三つ折できっちり始末。

 

B構造はなるべく実物に近づけるが、できる範囲に止める。

着物好きとしてはなるべく実物の構造に忠実でありたいという気持ちもありつつ、

人形サイズであるという側面、

そして人形に「着せる」ものであるという側面とのすり合わせもやはり必要だと考えている。

 

まず縫い代の問題。

小さいものなのであまりにも本物に近づけようとすると却って仕上がりが汚い。

そこで、おくみは付けていない。余計な継ぎ目をあまり入れないためである。

古くからある和裁の本にも「ワンピースの着物」として広幅で仕立てるおくみのない着物が載っているので、

手抜きではなく合理的な選択だと理解していただきたい。

 

あとは着せ替えを簡単にという観点から、おはしょりをあらかじめ作ってしまっている。

そうすることで縫い代を上手く処理できるというメリットもあったりするので。

 

C人間サイズで考えてもおかしくないものを。

実際に人間が着たとしてもおかしくないようなものを、と心がけている。

そうすると自然水玉やチェックといった柄ばかりが多くなってしまうのが悩みといえば悩みなのだけれど。

 

<苺屋・名前の由来>

一応、偽名「一子」から(いつこ→いちこ→いちご)。

音だけ聞くと越後屋っぽくて腹黒そうなところもお気に入り。

なにしろ苺屋は「ブライスファンを着物道に転落させる」という陰謀プロジェクトですから。ほほほ。

 

<日記>

5月21日

友人と日暮里の繊維問屋街探検。

私の目的は部屋のカーテン用の生地だったにもかかわらず、

結局ドール着物用の生地ばかりを嬉々として買いあさり、カーテンの予算を使い果たしてしまった。

まぁ、いいのだ。すりガラスなんだし、連れこみ部屋にする気はないし。しばらくはカーテンなんか無くたって。

 

日暮里、10年ほど前に訪れたときは

「量が多くても、変なものや質の悪いものばっかりならあんまり意味ないなぁ」なんて思ったものだったけれど、

再訪してみて印象が全く変わった。

行きつけの手芸屋さんには置いていなかったかわいい柄がたくさん見つかって、

本当に10年もバカにしつづけていてごめんなさい、という感じ。

これからちょくちょく訪れてしまいそう。

 

戦利品。

 

6月30日

【ひなまつり】セットをお買い上げのお客さまが、実際に着せた写真を送ってくださった。

ブライスのリップと着物の桃色が良い感じにリンクしていて、

作った自分が言うのもなんだが、とんでもなくかわいらしい。

自分にしては珍しく和風のプリントで作った着物だったり、ずっと売れ残っていたりで、

こりゃー失敗だったか、などと思っていたけれど、写真栄えとしては一番だったかも。

 

 

 

 

 

7月4日

合理的な選択、と言いつつも、実はおくみが無いのが気になっていたのです。

何も説明しなければ「人形だからって手抜いてるんでしょ」と思われる可能性は十分あるわけで。

ひょんなことから苺屋の着物を出版物に登場させていただけることになったため、

この気がかりはますます深刻になってしまった。

そんなわけで、ついにおくみ付きの型紙作成に着手。

 

まず、今使っている型紙の前幅と後ろ幅の関係は正しいのか、という問題を検証する。

計算の結果、前幅を五ミリプラスすることに。そして、その幅でおくみと前幅の占有割合を計算。

 

つられて衿の角度がやや浅くなった。これはいいのか悪いのかやってみないとわからない。

とりあえず、一つ縫ってみよう。

 

7月26日

 

 

 

 

 

実際着手するまでにずいぶん時間がかかってしまったけれど、ようやく試作品が完成。

初のおくみ付き。

反物から作るときと違って、後ろでつまんであるだけのフェイクなのでそれほど手間もかからないし、

縫い代も大仰なことにはならない。これならいけそう。

ただ、この着物に関しては、布自体の厚みの問題でややごわごわした感じになってしまったのが惜しい。

本当はこれを浴衣として何点か出したかったのだけれど、売り物にできるレベルじゃないなぁ。うーん、残念。

 

8月25日 で、葉月ちゃんに無理やり押し付けた(悪)。

 

8月上旬

オカダヤでフィードサックを何点か購入。

布ばかりが増えていく…。ちゃんと作らないと。

 

 

 

 

 

 

8月15日

以前ユザワヤで目にして以来気になっていたうさぎ柄の布を買う。

帯にするのだー。

 

8月16日

やっぱりかわいかった。ふふ。

 

 

 

 

 

 

8月22日

足りないものを買い足しにユザワヤとオカダヤへ。

うそつき袖用にリバティプリントのはぎれを購入。

今までは柄だけに気を取られていて、

せっかく柔らかい素材で着物を作ったのに、

合わせるうそつきがぱりーんと張っててせっかくの着物の落ち感が台無し、なんてこともあったけど。

これからは着物なら着物、袖なら袖に合った質感の布だけを使うんだもんね。

あくまでも目標ですが。ついつい柄の組み合わせの誘惑に負けることもあるかとは思いますが。

 

しかし、やはり高いなぁ、リバティ。

素敵なんだけど。

 

 

 

 

8月24日

どたばたと写真を撮って商品ページを更新。

今回は置き撮りじゃなくて実際に着せてみたんだけど、

ブライスってば、やっぱり頭大きすぎ。

影になっちゃって今一つ着物の見栄えが悪くなる、ということを発見した。

うーん。ブライスサイズのボディがほしいわ。あ、頭取っちゃえばいいのか(おい)。

 

8月25日

完売御礼。

売り切るまでにもう少し時間がかかるかと思っていたのだけれど、嬉しい誤算。

ありがたいことです。

あー。もうちょっと短時間で作れるといいんだけどなぁ。

量産できないから、利益という観点からすると、お店をやる意味があるのかどうかかなり微妙。

こんなに買っていただけるならと値上げなんてことをしてみたくもなる。

でも、物自体の価値というよりは安さで買っていただいているんだという自覚はあるので、

なんとか頑張って今の値段をキープしたいと思います。

だって自分でも4000円超えたら買う気にならないもん。それだけのお金があったら自分の着物が買えるもん。

 

とにかく暇を見つけてちょこちょこ縫おう。

 

8月26日

 

 

 

 

 

 

 

 

葉月ちゃんからお借りしたブラ子ちゃんたちに苺屋着物を着てもらう。

なかなかいいんでなーい、と自画自賛。

 

8月27日

草履を作ってみようとして布用ボンドの取り扱いにてこずり、あっさり挫折。

いまいましい。

でもいずれちゃんと作りたいなぁ。足袋だけだとどうも間が抜けていて。

 

8月28日 ショック二連発!

ショックその1。

他の1/6ドール用に苺屋の着物を購入してくださったお客さまがいらした。

同じ1/6だから問題なかろうと思っていたら、

身丈・裄丈が短すぎてバカボン状態なってしまったとのこと。

慌てて寸法を仕様欄に書き足しておいたけれども、

そのお客さまにはご迷惑をおかけしてしまって本当に申し訳なかった。

人形といえばブライス、リカちゃん、ジェニー、バービーくらいしか知らない、というのは問題だなぁ…。

 

知的財産権の問題が怖いのではっきり書けずにいるんだけど、

苺屋は、一応、ブライスに着せることを想定して作っています。

初期の型紙はリカちゃんのものを参考にしているので、リカちゃんもOKですが。

 

ショックその2

ネット徘徊をしていたら、同じ名前のブライス着物屋さんを発見してしまった。

しかも、この方ってもしや、ヤフオクで出品してる、

私が尊敬の念にも近いものを抱いているあの方では…?

でも真似したわけじゃないし、今更変えたくないんだよねぇ、この名前。うーむ…。

 

8月29日

ブライスの着物を作っている、と言うと、

「よくあんな小さいもの作れるね。すごい」という反応が多い。

そんなに小さくないよ、だってブラ子だよ?プチ子だったらすごいけどさぁ、

と、その反応を常々不思議に思っていたものだったが。

今回お友達のブライスを借り、他の方が作ったアウトフィットを初めて間近で見たことで、

皆さんが驚かれる理由がようやくわかった。

 

 

 

 

体にフィットする洋服は、確かに細かい。

曲線も多くて、作るのが本当に難しそうだ。神業だよ…。

着物はそれに比べて面積も大きいし、基本的に直線だから、

洋服よりも全然簡単に作れてしまう。ただそれだけのこと。

そんなわけで。

皆さん、あんまり私を誉めないで下さい。

「アタシってひょっとしてものすごく器用?」と、いい気になってしまうので。

というか、既に結構いい気になっていたのが幻想だったことが分かって、若干ショックを受けているので。

 

8月30日

とある着物本の撮影に遊びに行ったら、

火事場泥棒的収穫を得てしまった。

 

 

 

 

買おうか買うまいか迷っていた布もいただけて、ラッキー。

ブラ子帯にするぞ。

 

9月4日

着物はできるかぎり、帯とうそつき袖は全面的に、

人間サイズと全く同じ作業手順に従って作っている。

でも着物と帯に関しては、その必要があるのかどうか疑問を感じ始めた今日この頃。

和裁の本に載っている作り方に忠実にしているのは着物好きの意地というのもあるけれど、

自分の物を作るときの慣れたやり方をそのまま踏襲している、というのが大きい。

そして、自分の物を作るときに、

何故、接着芯を使えばいいのにわざわざ帯芯を入れたり、

袖の丸みを最初からその形に切るのではなく縫い縮めて作ったりするのかといえば、

いつでも解いて元の状態に戻せないと困るから。

異常なまでに飽きっぽいので、帯などはすぐ表と裏の生地の組み合わせを変えたくなってしまう。

そして、不可逆的な変化が怖い、という小心者でもある。

こんな私にとって、解いて部位を変えられるようにできている伝統的な和裁の手法は実に安心感がある。

でもね。どう考えても、わざわざ人形の着物や帯を解いて他の物を作ろうとする人がいるとは思えないんだよなぁ。

自分だってやらないし。

接着芯使って製作時間短縮を目指すべきなのかなぁ。うーん…。

それだと結局誰にでも作れる物になってしまって、ツマンナイよな…。

 

9月5日

手ェ抜いたろか、なんて書いたからバチがあたったのかも。

帯作成中、後は布を表に返して縫い閉じれば終わり、という局面で、

ふと気を抜いた瞬間、布に傷をつけてしまう。しかも2回も!同じ場所に!悪夢だ。

もちろん売り物にはできないのでうちのブラ子の普段着となるのだが、

こういうことでもないと新しい物を着せてもらえないうちの子はかなりかわいそうだ。

 

9月7日

今日までにお客さまから感想や画像を続々いただいている。本当に本当に、嬉しい。

皆さま、どうもありがとうございます。

これだから眠くても疲れててもやめられない。

 

9月8日

【E】セットを追加で3セット作ることになった。

が。

半衿と足袋に使った布が、もう手元に無いのを忘れてた。

似たようなのはあるんだけど(↓)、

 

 

 

 

これはプリントのかすれ具合が微妙に野暮ったいんだよな…。潔さに欠けるというか。

余計なことしなきゃいいのに。

しゃーない。買いに行こう。面倒くさいけど。

ああ、でも。こんな細かいところにぐずぐずと拘っているから金儲けできんのだよ、あたしゃ…。

ちょっと切ない。

 

9月9日

源氏物語で薫の君が、侍女たちが自分を「まじめな方」と言っているのを小耳にはさみ、

「まじめな方、か。なんとも不景気な評価を受けたものだ」とかなんとかぼやくくだりがある

(小学生の頃に子供向けのダイジェスト版で読んだときの記憶なので、定かではない)。

この子供時代からの刷りこみで、

私自身の中にも「まじめ=不景気」という図式ができあがってしまった。

そんなわけで、「まじめ」と評されることには抵抗がある。

何が言いたいのかというと。

 

まじめ色筆頭・紺色が、苦手だ。

 

避ける傾向にあったため、

堅苦しくなったり野暮ったくなったりしないように上手く紺色を使いこなす、ということができない。

 

洋服で着るときには古着によくある凄まじいキミドリ色(としか言いようがないでしょ、あれ・笑)

にぶつけることが多いけど、

それは自分が着るから、その日限りのことであるからいいのであって、

商品として出すにはいかがなものかという疑問が残る。

 

今私の手元には、かわいいからとつい買いこんだものの、

結局どう組み合わせたらいいのか皆目見当もつかない紺色の布が束になっている。

どうしたもんですかね。

 

 

 

 

 

 

9月13日

「15日に3種類各2セット出します」なんて書いてしまったけど、

時間的にちょっと厳しくなってきた。

とりあえず今の時点で2種類各2出来ているのだけれど、

明日一日で2セットはちょっと難しそう。

アップを15日の夜にすればぎりぎり間に合うかもしれないけど、

それはちょっと気ぜわしすぎるしなぁ。

ま、実際のところ3種類といってもそのうち2種類は今まで出したものの追加だし、

新作は出来あがっているから、良しとしようか。

今度の新作はややアクが強い感じ。かわいいと思うけど。

 

こんな感じでなかなか量産できなくて着物セットを作るだけでも精一杯なので、

「秋には羽織を」なんていっていたのも計画倒れに終わりそう。

今のうそつき袖の寸法だって、幅と高さ、一ミリ単位で変えて6パターンくらい試してようやく出来あがったわけで、

それを羽織でやらなきゃいけないと思ったら、無理。絶対に無理。

そもそも羽織は人間サイズですら作ったことがないんだから、まずそこから勉強しないといけないし…。

 

とはいえ、着物セットばかりでも芸がないので、他のものも作ってみたいのよね。

今考えてるのは帽子とドロワーズ。

着物に帽子ってかわいいし、

うちの着物は裾除けがないからその代わりにドロワーズなんていいと思うんだよなぁ。

これも計画倒れになるのかなぁ…はぁぁぁぁ…。

 

9月15日

結局2種類×2セットしか出せなかったので、あっさり完売御礼〜。

しかし在庫が2時間ももたないって、店としてどうなのよ。

あんまりちまちまと出してしまうとお客様の方も選ぶ楽しみがないだろうから、

しばらく作り溜める方向で行こうかなぁ。

 

手持ちの布を使いきったら、次は、

ちょっとポリシーに反するけど、人形じみたものを作ってみたいのよね。

リバティのハイヒール柄プリントで着物、とか。

 

お客様のサイトで、かわいいブライスさんにうちの着物を着せていただいているのを見て、

一人ニヤつく今日この頃。

 

9月21日

方針決定。

とりあえず、この布で溢れかえった部屋を何とかしたいので、

もう少し手元の布が減るまでは、今のペースで、

出来次第ぽろぽろと出す(結局は自分本位)。

で、再来月くらいからは1ヶ月に一回、日にちを決めて、

だいたい4種類2セット程度出せればいいなぁ、と。

これ以上布を増やさないように気をつけなければ…。

 

9月22日

去年から買い渋っていた帽子の本をようやく購入。

これで準備万端。ブライスの帽子作りに取りかかれます。

…って、どんどん着物サイトから離れていくよね…。

 

9月23日

さ・ら・に!

何故か突然上がってきてしまったプチ子熱…。

苺屋、迷走中。

 

9月29日

さて、作りますよ、プチ子着物。

まずは型紙の作成から。

プチ子はブラ子を40パーセントの大きさに縮小したもの、と公式サイトには書いてあるけれど、

他の処では「40パーセント」と書いてあったのが気になり、

Dollybird Vol.3に載っているサイズ表の数値から計算をば。

結果。

バスト 42パーセント
ウエスト 43パーセント
ヒップ 42パーセント
背肩幅 37パーセント
身長 40パーセント
背丈 43パーセント
袖丈 35パーセント
ウエスト高 37パーセント

ジャスト40パーセントは身長だけじゃん。適当だな、公式。

まぁ、平均すると確かに39.9パーセントということで、

ほぼ40パーセントにはなるけれどねぇ。縦横混同して平均値取っても意味無いしねぇ。

かといって、縦と横で縮小率が若干違うのかと思えば、

ウエストと背丈の数値が一緒だったりして。

うーん。何を基準にしたらいいのかよく分からん。

とりあえず、身丈は40パーセントだね。

で、身幅はヒップを基準にして42パーセント。

その分肩幅がやや大きくなるけれど、

袖幅が35パーセントなので上手いことバランスとれるでしょ。

それで一旦作ってみて微調整しよう。

 

ミリ単位の話で40パーセントも42パーセントも大して変わらないとは思うんだけど。

ついついこういう部分に拘ってしまうのは生まれつきの悪い病気。

 

10月2日

プチ着物の型紙を作ってみた。

当然のことながら…小さい。

こんな小さいものが縫えるのか?!

こむぎさんはすごい。もちめさんはすごい。

信じられん。眩暈がしてきた…。

 

10月3日

でーきた。

まだ帯揚げと帯締めが無いけれど、それ以外のところは完成。念願のプチ着物。

衿を付けるときにちょっと気が狂いそうになったけれど、

それ以外はそう大変でもなかったな。

帯なんて、全部表側から手縫いで縫ってるから、

むしろブラ子帯よりも仕上がりがきれい。

ただ、何故か身丈が5ミリ長いんだよね。

Dollybird Vol.3によると、今の可動ボディは初期リカキーボディよりも大きいらしい。

その差なんだろか。

だとしたら。

可動ボディのプチ、買わなくっちゃねぇ。

良い口実が出来た。ヶヶヶヶヶ…。

 

着ているのはうちのプチ子。

名前がまだ無くて、新しい名前を考えるのも面倒だったので、

懐かしのポストペットでハムスターにつけていた名前をそのまま贈呈した。

「はちみつ」。

実はチャド(ブラ子の方。髪を植えなおした直後、

MANSUNのギタリスト、ドミニク・チャドに髪型が似ていたためにドミニクと命名。

しかし呼びにくいので最近はチャド君になってしまっている)よりもこの子の方がかわいいと思う。

そう。白状してしまうと、元々ブライスよりもプチブライスの方が見目良いと思っていたクチだ。

ただ、人形購入の動機が「人形着物が縫いたい」だったため、

嫌々ブライスの方を買って帰ったというだけの話で。

結局プチが忘れられなくて、後から再び買いに走ったくらいだから、

この「はちみつ」にはかなりの愛着がある。着物を着せてやれて大変嬉しい。

 

10月5日

ひとまずブライス着物の作成に戻る。

プチ着物に慣れ始めた手には、とても大きく感じられる。

 

最近、作業をかなり機械的に進められるようになってきた。

これはとても良いことだと思う。

心のこもった拙い縫い目よりも、

一片の感情も介在しない、パーフェクトでプロフェッショナルな仕事が好きだ。

早くこの境地に至りたいものである。

 

10月6日

ブライスよりもプチの方がかわいい、なんて暴言を吐いてしまったけれど、

あれ、撤回。

はちみつ>ブライス>プチブライス、が正確な序列です。

誘惑に負けて、可動ボディのプチを買ったのだけれど、

買ってきた子が良くないのかなぁ(マドモアゼルローズバド)、今一つ可愛くない。

というか、むしろ不細工だ(ローズバド好きな方ごめんなさい)。

化粧のせいか、顔に透明感が無い。

そして、眠り目が…なんかむかつくのよね。

睡眠不足のときに見ると「一人で眠ってんじゃねぇ!」と思ってしまう(やつあたり)。

あと、半開きになったときの表情がなんとも邪悪で、あんまり良いと思わないなぁ。

店で見たときには一番マシに見えたんだけどな

(オレンジマンチキン(なんか怖い)とクラッシークラスメート(髪形がいや)との比較で)。

個人的に髪の色は黒・茶・金髪程度のごく普通のが好きだったりするので、

ピンク頭のこの子は余計に受けつけないのかも。

でもまぁ、とりあえず、初期ボディとはかなり身長差があることを確かめられたので、

購入したこと自体は良しとしよう。

一つ、怖いのは、これで(広義の)ブライスが三人目になった、ということ。

わたくし、数の数え方は「一つ、二つ、たくさん」の人なのであります。

三人以上はいくら居ようが同じなのであります。

……やっべー。ブレーキ壊れた(笑)。

 

10月11日

17日に控えている新宿ゴールデン街フリマに出すブライス着物10セットを作り終える。

目標9セットだったのに10セットとは、我ながらよく働いた。

しかし……やはり大量生産はつらい。

基本的に、縫うこと自体はそれほど好きというわけでもないのだ。

 

着物セットが完成するまでのわたくしの一連の心理状況は次のようなものである。

@組み合わせを思いつく(この組み合わせで作ったら絶対可愛い! 縫うぜ!)

A縫う・完成

B高笑い(ほーらみろ、やっぱり可愛かった!)

C興味を失う(次いこ、次)

 

…そんなわけで、一度Cの段階に到達してしまったのにも関わらず、

同じ組み合わせに再び着手するというのは、ものすごーく退屈なことなのだ。

結果が分かってるんだもん。

 

とはいえ、1セットだけしか作らないというのでは、布があまりにもったいなさすぎ。

費用の回収という面からも、複数枚縫わないわけにはいかない。

なんとかならんのかね。まぁ、修行のつもりで日々ちくちくやってますけど。

 

10月14日

久々に吉祥寺のコットンフィールドへ。

普段はユザワヤで完全に用が足りるのでわざわざ足を運ぶことはないけれど、

たまには来てみるもんだね〜、ユザワヤでは見ないかわいい生地がいっぱい!

興奮しつつ、帰りにユザワヤにも立ち寄ってみれば…

同じ生地、全部あった。

……なんとなく弄ばれたような気分だ。

 

10月17日

ゴールデン街でお着物フリーマーケットを開催。

出品してくださった方々から、またも布をいろいろといただいてしまった。

柄も質感も違うはぎれが多数手元に揃っていると、

セットの組み合わせを考えるときに本当に便利だ。感謝。

 

10月22日

また頂き物。インテリアファブリックなので冬の帯に良さそう。

 

10月28日

商品アップロード日決定。

毎月15日にしようと思います。「苺屋」なだけに。

自分の趣味を反映して29日でもいいかなと思ったのですが、

別に面白くないのでやめました(笑)。

 

11月15日

苺の日(nobuさん命名)。

商品写真をアップロードし終えた瞬間、一気に注文メールが届いて恐慌状態に陥る。

まだ説明文も付けてなかったのになぁ…。

私の目論見では、文章が入ってからぽつりぽつりと注文が来る、という運びのはずだったんだけど。

12着出したうち、最初の10分で10着が売り切れ、

最終的には30分で完売。

うーむ。どうしよう。

売れ行きが良いのはものすごく嬉しいんだけど、

売り手買い手双方にとって、もっとゆったりとやりとりができるシステムを考えないといけない気がする。

 

11月18日

ついに来るべきものが来たというか…。

かなり不安定な状態でお店屋さんごっこをしているという自覚はあったものの、

それがあまりにも目に余るというご指摘をいただいてしまった。

自分でもわかっていたことだけに……ちょっと続けづらい。

そんなわけで、廃業します(笑)。

もちろん作るのをやめるつもりはないし(だってこの布の山!)、

態勢整えてすぐに戻ってこられる…と思う、たぶん。

ただ、今みたいなオープンな形での販売はもうできないかもしれないです。

29日に間に合うと良いな。無理かな…。

 

11月20日

苺屋廃業記念ということで(嘘。即日完売祝い)、チャドにウィッグを購入した。

ゴールドブラウンのショートボブ。

そしたら、かわいいんだ、これがまた。

チャドは「ブライス着物のボディ」として少ない選択肢の中から間に合わせで買った子。

いかにも着物を着そうな子(ラブミとか)を選びたくなかったために、

金髪の短髪、というだけの理由で連れ帰った。

だから金髪のトーンやメイクの色使い等、正直言って気に入っているわけではなく、

常々「失敗だったかも。いつかカスタムしないわけにはいかないけど、

それもメンドクサイんだよな…」と、

黄味の少ない緑のシャドウやピンクの唇を苦々しく眺めていたものだ。

が、今回購入のウィッグをかぶせてみたところ、

驚いたことにそれら問題点がすべて気にならなくなった。

ようやく自分の子らしくなってくれて本当に嬉しい。

あとは目の色をアイスブルーと琥珀色とグレーと白目(笑)に変えたいな。

ま、もうこのままでも全然構わないんだけどね。

 

そうそう、今まできちんと書いていなかったのだけれど、

ギャラリーの着物ブライス画像は、

掲示板に貼っていただいたもの、及び、

メールで直接添付ファイルとしていただいたもののみ載せさせていただいています。

メールでURLを教えていただいた場合は、一応ひとさまのページの画像、ということで、

拝見するだけにとどめております。

別に「この写真はあんまり好きじゃないわ」

というような理由で載せていないわけではありませんので!

むしろ、「これうちにほしーんだけどな。でもいただいたわけじゃないからな」と、

いつも指をくわえております。

使わせていただける場合は教えて下さいませ。

 

11月24日

日暮里へ。

お友達のことさんと、「浅草で履物あつらえて、そのついでに日暮里に寄ろうか」

なんて言っていたのに、当日になってみれば二人とも履物へのモチベーションがやたら低く、結局は日暮里メイン。

ブライス着物用の布地は今のところ十分過ぎるくらい手元にある。

冷静に見て回ることができるだろうし、買うとしてもはぎれ一枚程度だろうとと踏んでいた。

それなのに、最終的には下の写真のようなことに…。

「あれもほしい〜これもほしい〜色違いで全部ほしい〜」と激しく懊悩。

楽しいけれど、辛い(笑)。

一番左は色違い全部ほしいと思ったアヒル(ガチョウ?)柄。

メーター売りで1メートルからなので、泣く泣く1色に絞った。

一番左のはぎれは豆千代ブライスのバッタもんでも作ろうかと思い、購入(笑)。

 

数日前にユザワヤでも買い物しちゃっているし、これはもう、どんどん作らないと

そのうち自分の居場所すら無くなるなぁ、この狭い部屋では。

 

11月27日 仮説

以前、ブライス師匠のマキさまから、

「ブライスは二人になった時点で、鼠算式に増えます。お楽しみに。」

などという恐ろしいことを言われた。

そのときは、まぁそういうこともありえないことではない、程度に思っていたが、

最近になって切実に感じる。これは、真理だ。

 

何故そんなことになるのか。

思うに、各ブライスの個性というものに意識的になるからではなかろうか。

二人いれば意図せずとも自然に見比べることになる。

髪型が違う。メイクも違う。

この子に似合う服はどんなかな。これはラブミには似合うけどフルーツパンチにはイマイチね。

いろいろと想像してしまうと実際に着せたくなる。

自分で服を作ったり、ネットで気に入るアウトフィットショップを探して買い漁ったりしてしまう。

服を手に入れたら入れたで、どんなに数が増えても、気に入ったモノだからしまい込まずに飾っておきたい。

そのためには服を着るべきボディが必要だ。必要なんだもの仕方ないじゃないのと新たに一体お迎え。

三人いれば意図せずとも自然に見比べることになる。

髪型が違う。メイクも違う。(以下、…n体まで永久に続く)

 

…こんな感じなんじゃないかな。

実は今、自分自身が洋服を複数入手したくてたまらないという局面にさしかかっているところなんである。

行きつく先を想定し、必死に自制を試みている次第。

 

11月30日 ぎゃー。

アタシのばかばか!

足りない布(補正に使っている苺柄布)を補充しに行っただけなのに、

まーた新しい布を買ってきてしまった…。

 

話変わって、ヤフオクに参入して一日経過。

出品の手続きが意外に簡単だし、すぐに品切れにならないあたり気が楽だなぁ、なんて思っていたら、

ちょっとびっくりするような質問メールが。

以前洋服を出品したときに、4000円で出しているものを2000円にしてくれないかというメールが来たことがあって、

そのときもたいがい驚いたものだけど、今回の驚きはそれ以上。

……裏取引を申し出られてしまいました。全く知らない方から。

それは、ダメです(笑)。

なかなか難しいものですなぁ…。

 

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苺屋 : 河村一子(かわむらいつこ)。ネット上では花菱げし子(はなびしげしこ)。無駄に偽名が多い。

1975年、(西)東京出身。誕生日は澁澤龍彦と一緒。

タマゴに目鼻と言いたいところだが、実際は胃袋に手足。

着物好き。MANSUN最高。久保帯人リスペクト。

 

去年本など出させていただきました。

『はじめての私の着物』

河村一子 

河出書房新社 1300円